2008年度のネイチャーフォトグラフィー。
受講生の全作品の中から、小川講師の独断と偏見で「この2枚!」を選んでもらいました。
「いい写真がたくさんあって、選ぶのがものすごく大変だった〜」と講師が言い訳するほど、ほんと、素晴らしい写真ばかり!
露出がどうとか、シャッタースピードがどうとか、そんなことより、仲間と一緒に楽しんでいるうちに、なぜか写真が上手になっている不思議なネイチャーフォト講座。
「みんな、本当にうまくなったなあ〜」と講師もうなっていました。
では、小川講師の講評とともに、受講生の皆さんの感性あふれる写真をどうぞお楽しみください!
【鈴木テン吉さん】

収まるべきところに車が納まっていて、空を大きく取り入れたフレーミングが活きている。空と陸地のバランスが見事。全体の印象や空の色から、盛夏ではなく初夏の風景を表現していて、好きな一枚。
テン吉さん、ただの酔っぱらいじゃなくて、けっこうなロマンチストだったんだねぇ……ってスンマセン(笑)
そうそう、ヨウコちゃんのサポートにも助かりました。
よろしくお伝え下され。

布なのか、ひもの束なのかよくわからないけど、ピントのボケ具合が奥行きや動きを表現していて、色が流れるカラフルな川みたい。こういうアブストラクト(抽象画)も好きなんだよね、オレ。ブレているんだけど、それが逆にいい味を出しているし……。
酔ってないときの写真はいいねえ、テン吉さん!……って、酔ってるときの写真は知らんのだけど……(笑)。
また飲もうね、うまい地酒!
できたらカメラを片手に……。
【東さっちゃん】

粟ヶ岳の「茶文字」の切り取り方に脱帽!
左右の生け垣の光と影のバランスが絶妙で、生け垣に咲く赤い花がちょっとしたアクセントとなっていていいね。思わず、その向こうに駆け出したくなる。で……真ん中の電線はご愛嬌…だね、はは。どうしようもないもんなぁ。
あ、ご夫婦二人での受講、ホントにありがとね。
で、どっちの方が巧くなったかは内緒。夫婦げんかになったら困る……へへ。

「動くものを撮ろう!」と出かけた花鳥園で、逃げる鳥をさっちゃん自ら追いかけながら捉えた作品。しっぽが切れてしまったのが少し残念だけど、鳥の焦りが感じられて思わず笑ってしまう一枚。この頃、おなかに赤ちゃんがいたんだよね〜。ヒヤヒヤもんだに〜。
でも、元気な赤ちゃんが生まれてよかったよかった!
本当に、おめでとう!
お子さんのイキイキした写真を、心待ちにしてまっせ〜。
【小野さん】

赤い睡蓮(かな?)の花が効いていて、魚の動きも面白い。小野さんの絵心を感じる一枚。赤い花にピントがぴったり来ていて、気持ちいいッス。花をこんなふうに切り取る感性には、ホント感心しました。
いつも柿の木ばっかり撮ってたもんねぇ(笑)

水田のかかしは本来は鳥よけのはず。なのに、かかしが雨乞いをする神主様(かかしの胸には……ギャルと書かれてるケド)のように見えて、ドラマチックな一枚に仕上がりましたねぇ。曇り空のディティールがよく出ていて素晴らしい。露出もアンダー気味で大正解!
寡黙で目立たないけど、ときどき、とんでもなく面白いことをボソッとつぶやく小野さんは、講座でもにこやかでい〜味、出してました。
「ネイチャーフォト2年生。これで卒業」なんて言ってたけど、そんなこと言わずに時々遊びに来てくださいね!
お待ちしています。
【水野さん】

まずピンクの貝殻に目を奪われる……で、その視点を上に移すと、斜めに映る水平線が……。この風景には、ふとめまいを覚えてしまう……。みごとに「けだるい夏の午後」を映し込んだ、女性らしいアンニュイな作品だね。巧いなあ、と唸った作品でした。
水野さん、恋でもしてるのかな?(←セクハラ発言と言われちゃうかなあ〜、へへ)

こちらも女性らしい感性を感じる一枚。水玉が光る傘と、飛び散る雨水。こりゃあ、傘にピントを合わせるしかないよね。
傘と遠景が見事に絵を二分割していて、フォトジェニックな一枚。雨の日だね〜。フランス映画の一場面を見ているみたい。
……なのにここは、とうもんの里(笑)。さすが斜め撮りの水野さん、お見事!
【斉藤チン】

これは、小笠山の屏風岩だよね?
切り立った両側の岩のあいだ、70〜80センチほどの狭い道から、出口(入り口)を撮影したものだと思うけど、写真ならではの表現として見事な心象風景となっている。ピントが合っているとか、ブレているとか関係ないことの見本みたいな作品。斉藤チンにも、思いもかけない一枚だったんじゃないかな?もし、計算で撮ったとしたら「ブラボー!」としか言いようがない。……で、実際どうなの〜斉藤チン?

一目見た一瞬、上下感覚がわからなくなるような不思議な作品。池に落ちた桜の花びらと、水面に映る春の空と木々。ありがちなモチーフかもしれないけれど、何か(別世界とか)の入り口を思わせるような、面白い絵になっている。
…だけど、斉藤チン、カメラをたまには掃除しようね(笑)。センサーがゴミだらけだに〜。
【山崎ゼンキュウさん】

丸く光る球体に映る景色を接写した、面白い作品。球体の曲面を利用して、あたかも魚眼レンズで撮影したような効果を生んでいる。
中央に写るゼンキュウさんの片手で撮る姿が、とても力が抜けていて、ゼンキュウさんらしく微笑ましい。
この作品のタイトルは「自画像」で決まり!
どう?

カエルがこの岩を登り切ったとき、その向こうにはどんな風景が見えるんだろう……と想像してしまう自分がいるデスよ。なんだかカエルなったような気持ちに……ゼンキュウさん、前世はカエルだったの?
しかし、これだけの接写を気楽に撮影できるのは、コンパクトデジカメならでは、だね。
なんだかNHKの自然番組でも見ているようデス。
それにしても……たまたま通りかかったゼンキュウさんちの前。
カメラを手に、近所を撮影するゼンキュウさんの姿を見つけた時には、嬉しかったなぁ。
うん。
【田辺まこちゃん】

ちょっと前衛的な青春映画の一場面みたいな作品。右端に写る人影が、きゃしゃな少女みたいで、背中合わせの男の子ふたりも曰わくありげ……。ハイキーな露出と、カメラのブレが生んだロマンチックな一枚。なんて…実は、弁財天の海岸でみんなでスイカ割りをしているだけなんだけどね。←盛り上がったような、盛り上がらなかったようなスイカ割り、楽しかったし、美味かった……ね!
で、誰がスイカ割ったんだっけ?

こちらは、ガラス越しに切り取った雨の田園風景。右端に映るガラスについた水滴と、降り続く大粒の雨。その向こうに蜃気楼のように映る松林が雨にかすみ、物憂げで妙に心に残る一枚。いろんな作品を見て、まこちゃんの打つ蕎麦がなぜ繊細で極めつけに美味いのか……その理由がわかったような気が……、極上のもりそば、近いうちにまたよろしくね〜!
そうそう、まこちゃんが変な誤解をされても可哀想なので、今回は「のぞ◯写真」を外しました。
ファンの皆様、ご了承下さいませ。
【東クン】

雨に打たれる新緑のみずみずしさ、弱々しさ、柔らかさを、淡いグリーンのトーンで見事に切り取った一枚。ソフトフォーカスレンズで撮ったような、不思議なピント具合で、それが魅力になっているね。
これ、どうやって撮ったの? う〜ん、不思議だ……。(笑)
レンズが高い湿度で曇っていたのかなぁ?

カラフルなタイヤでできた遊具を、ど真ん中から正々堂々としたアングルで切り取った一枚。広角撮影の効果がよく表れていて、思った以上の遠近感を生んでいる。フレーミングが見事だね。プリントして壁に飾っておきたくなるような魅力あふれる作品に仕上がっている。東クン、うまくなったなぁ〜〜、うんうん。で、一枚、プリントアウトしてくれない? なんちゃって……。
というわけで……新米パパ、がんばれよ〜!
【全体の講評(小川講師のつぶやき)】
つたない講師ぶりですまなかったなあ……と思うし、実は一番楽しかったり、嬉しかったりしたのはオレじゃないか?と感じた講座でした。「こうしちゃいかん」「ああしちゃダメ」というのは写真には一切存在しないし、ましてやみんなは楽しみで撮るんだから、好きなようにじゃんじゃん撮ればいい。それによって、日々の生活に写真が花を添えられるようになってもらえたなら、講師冥利につきる、ちゅうもんです。
実際、みんなの作品の中にはまだまだ紹介したい「絵」がたくさんあったんだよ〜。
選ぶの、ホントーに苦労したんだから……。
いや、しかし本当に楽しませてもらいました。みんな、ありがとね。
何度も言うようだけど、本当に、みんなうまくなったなあ〜(しみじみ)。
うんうん。
何か相談ごと(写真のことだに。お金は無いでね)があったら、いつでも連絡してね〜。
……それにしても、もう一回、みんなでお酒を飲む機会を持ちたいねえ〜。どう?